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東京地方裁判所 昭和51年(特わ)174号 判決 1976年10月22日

被告人

本店所在地

東京都千代田区二番町一一番地一〇

丸協産業株式会社

(右代表者代表取締役 廣瀬敬四郎)

本籍

東京都千代田区二番町一一番地一〇

住居

同都同区二番町一一番地一〇

麹町山王マンション五〇二号室

会社役員

廣瀬敬四郎

大正一四年一月一八日生

公判出席検察官

検事

清水勇男

主文

被告会社丸協産業株式会社を罰金一、二〇〇万円に、被告人廣瀬敬四郎を懲役一〇月に、それぞれ処する。

被告人廣瀬に対し、この裁判確定の日から二年間、右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、東京都千代田区二番町一一番地一〇(昭和四七年五月までは同都中央区宝町一丁目九番地)に本店を置き、木材、日用品雑貨の輸出入及び国内販売等を営業目的とする資本金六、四〇〇万円の株式会社であり、被告人廣瀬敬四郎は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統轄しているものであるが、被告人廣瀬敬四郎は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、受取手数料の一部を除外して簿外預金を設定するなどの方法により所得を秘匿したうえ

第一  昭和四七年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一三〇、九九五、〇九九円(別紙(一)修正貸借対照表参照)あったのにかかわらず、同四八年二月二八日、東京都千代田区神田錦町三丁目三番地所在の所轄麹町税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五〇、九五九、五六五円でこれに対する法人税額が一一、一三七、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右被告会社の右事業年度の正規の法人税額三一、九四五、〇〇〇円(別紙(三)税額計算書参照)と右申告税額との差額二〇、八〇七、六〇〇円を免れ

第二  昭和四八年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一六八、五三一、〇八二円(別紙(二)修正貸借対照表参照)あったのにかかわらず、同四九年二月二八日、前記麹町税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が六一、五一一、七七五円でこれに対する法人税額が二一、六二八、三〇〇円である旨の虚儀の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により右被告会社の右事業年度の正規の法人税額五九、五二三、九〇〇円(別紙(三)税額計算書参照)と右申告税額との差額三七、八九五、六〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一  被告会社の会社登記簿謄本

一  被告人廣瀬の当公判廷における供述

一  同じく収税官吏に対する各質問てん末書及び検察官に対する各供述調書

一  岩崎晃典の収税官吏に対する各質問てん末書

一  堀田義生の収税官吏に対する質問てん末書

一  被告人廣瀬作成名義の昭和四九年一二月二一日付代表者に対する貸付金についてと題する上申書

一  収税官吏野津田昌澄作成の昭和四九年一二月一六日付預金等残高および受取利息調査書

一  同じく昭和五〇年一月二〇日付支店精算勘定についての調査書

一  収税官吏赤羽修作成の昭和五〇年一月二〇日付収入除外計算調書

一  収税官吏野津田昌澄作成の昭和四九年一二月一八日付簿外有価証券取引調査書

一  麹町税務署長作成の昭和五〇年三月一九日付証明書

一  収税官吏野津田昌澄作成の昭和五〇年三月一五日付減価償却超過額調査書

一  同じく昭和五〇年三月一五日付事業税に関する調査書

一  同じく昭和五〇年三月一五日付為替換算計算調査書

一  同じく昭和五〇年三月一五日付外国税額の控除計算書

一  押収にかかる昭和五一年押第一三二三号のうち次の証拠書類

1  昭和四七年度法人税確定申告書一綴(符三号)

2  昭和四八年度法人税確定申告書一綴(符四号)

3  昭和四六年度元帳一綴(符五号)

4  昭和四七年度元帳一綴(符六号)

5  昭和四八年度元帳一冊(符七号)

(法令の適用)

被告会社につき

法人税法一六四条一項、一五九条、刑法四五条前段、四八条二項。

被告人につき

法人税法一五九条(いずれも懲役刑選択)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(判示第二の罪の刑に加重)二五条一項。

(量刑の事情)

(イ)  被告会社の営業は、外国法人との取引に基づくものも多く、ために本件犯則調査にあって、被告会社の協力が得られなかったならば、収税官吏のみの調査によっては、その全容の解明も困難であったと思料される事案であるところ、被告人を含めた会社従業員において右収税官吏の調査に積極的に協力をして事案を解明したと認められること、

(ロ)  被告会社では昭和五〇年以降において、取引先の倒産等により、多額の約束手形が不渡りとなり、そのため現在において資金的に苦慮していること、

(ハ)  本件にかかる本税額を殆ど完納しており、その余の加算税等についても分納を誓約して、その履行が期待できると思料されること、

(ニ)  被告人自身も改悛して、今後この種事犯を繰り返さないと誓約していること、

等の事情を特に考慮して被告会社、被告人につき主文の刑を量定した。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 中村勲)

別紙(一) 修正貸借対照表

丸協産業株式会社

昭和47年12月31日

<省略>

<省略>

別紙(二) 修正貸借対照表

丸協産業株式会社

昭和48年12月31日

<省略>

<省略>

別紙(三) 税額計算書

丸協産業株式会社

<省略>

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